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執筆者の写真林院長

水虫


浴衣にスリッパという出で立ちは入浴後に牛乳瓶で牛乳を飲むのように旅館の大浴場における定番のスタイルと言えよう。故に、大浴場の下駄箱に並ぶ履物は皆一様に旅館の用意したスリッパで、どれが自分が履いてきたものかわからないことがある。最近では、自分の履いてきたスリッパと他のものを区別するためにマーキング用の札が置かれていたりする。ところが、自分がどの札でマーキングしたか忘れる強者もおり、結局のところ自分が履いてきたスリッパにたどり着けないことがある。お互いの健闘をたたえるためにユニホームを交換することさえあるのだから、スリッパくらい交換してもよいではないかと思われる人もおるかもしれない。しかしながら、他のものが履いた履物を履くことは、あまり心地良いものではない。というのは、我々の頭の中には、仮に水虫にかかった人が履いたスリッパだったら、それを履くことでうつるのではないかという心配がよぎるのである。

水虫の原因は白癬菌である。感染力はそれほど強くないので、実際のところ他の人の履物を履き間違えたくらいで罹患するリスクはほとんどないだろう。では、どのようにして水虫にかかるかというと、いわゆるマイレージのようなものととらえれば分かりやすいかと思われる。感染力の弱い白癬菌はマイレージ制でポイントを貯めないと罹患しないのである。水虫に罹患した人の靴を毎日借りて履き続ければ、ポイントがたまり罹患するかもしれない。家族に水虫に罹患した人がいれば、日常生活上ポイントが溜まりやすく罹患するリスクがあるだろう。

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