• 林院長

水風船

 梅雨の時期、貴重な晴天で雨の中休みに子供を連れて公園へ出かけた。水風船を作る母親の横で水鉄砲でバケツの水を汲む女の子がいた。我が子は物欲しそうな目で水風船を見つめていた。すると、私は頭と背中に冷たい滴を感じた。おやっ、通り雨かな。空を見上げても雨など降っていなかった。  水鉄砲を持った女の子が私の背後にある木立ちに向かって『お兄ちゃんずるいよ。まだ、はじめないでよ。』 木立の陰に目をやると、その女の子の兄らしき少年が水鉄砲を抱えながら笑っていた。どうやら私は流れ弾に被弾したようだ。その少年の母親は、私の背中が濡れているのをみるなり状況を察して、私の方へ駆け寄り、水風船を手渡してくれた。 『これ、お子さんにどうぞ。』 これはお詫びのしるしと捉えるべきか、あるいは、これで反撃せよということか。 水風船を貰えるものだと思う我が子を側に開戦の合図を待つ私であった。



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板橋本町皮膚・形成外科

 

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