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執筆者の写真林院長

体外衝撃波治療


以前より体外衝撃波治療は腎尿管結石の破砕でよく知られていた治療であった。我が国より先じて西欧諸国では、結石を破壊し得ない低出力なエネルギーで衝撃波を照射した場合、人体に血管新生作用や抗炎症作用などの影響を及ぼすことが知られるようになっていた。当時、そのメカニズムについてはよくわからなかったが臨床先行型で虚血性心疾患などの循環器内科領域や腱鞘炎・足底腱膜炎などの整形外科領域で低出力対外衝撃波治療は広く臨床応用されるようになっていた。

私が創傷の研究をしていたその頃、東北大学循環器内科教室の下川らが我が国でも低出力体外衝撃波治療を臨床応用すべく、働きかけていた。それから間もなく私たちの形成外科教室に下川らから創傷の分野でも低出力体外衝撃波治療の応用が期待されて、共同研究のお話を頂くようになった。自分で言うのも赤面する話なのだが、当時、私が行った動物実験が低出力体外衝撃波治療の人体に及ぼす作用とそのメカニズムについての解明に一役買っている。

なぜ唐突に昔の研究を思い出したのかというと、最近、私が開院する噂を嗅ぎつけて体外衝撃波治療機器メーカーのSTORZ社の方があいさつに訪れたからだ。我が国でも整形外科領域で徐々に低出力体外衝撃波治療が応用されつつある話を聞いて、また、手渡された資料に私の研究が触れられており、自分の研究が役に立っていることを知って感慨深いものがあった。

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