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執筆者の写真林院長

金属アレルギー


身の回りの金属で例えばアクセサリーや歯科治療で使用される金属には、アルミニウム、コバルト、スズ、鉄、白金、パラジウム、マンガン、イリジウム、銀、クロム、ニッケル、亜鉛、金、銅、水銀の16種類ある。金属の種類によってはアレルギー反応を示しやすいものがある。特にニッケル、コバルトとクロムはアレルギー反応を示しやすく、困ったことに化粧品からピアス、ネックレス、ブラジャー、ベルト、腕時計など、幅広く普段我々が肌に使用したり、身に着けたりする製品のほとんどに含まれる。ニッケルはステンレスに使われていると言えばピンとくるだろう。硬貨や調理器具、文具に用いられ、比較的安価なアクセサリーのほとんどはメッキの下地として使用される。このニッケルメッキの下地にはコバルトも混在されていることが多い。一方、クロムは皮製品の仕上げに用いられることが多いので、革靴、ハンドバッグ、ベルト、時計の革バンドなどのほとんどに含まれている。ちなみに、チタンは金属の中でもっともアレルギー反応を示し難い。生体親和性の高いチタンは生体内に留置しても問題になることが少ない為、医療の現場では人工関節や骨折部を固定する金属プレートとして用いられる。歯科治療は亜鉛などの歯科用セメントから金・銀・白金・イリジウムなどの歯科金属を用いることがある。インプラントは生体親和性の高いチタンが用いられる傾向にある。

そもそも金属は地殻に存在しているので、実際には我々が口にする農作物、家畜、魚介類には微量ながらも金属が含まれている。つまり、食品に含まれる金属で皮膚炎などの症状を引き起こす場合もある。原因となる金属アレルギーがある場合は、その金属を多く含む食物はなるべく食べるのを控えたほうがいい。当院では金属に限らず日本人が身の回りにあるかぶれやすい21種類のアレルゲンを一括してお調べするパッチパネルテストを用いたアレルギー検査を実施している。検査費用は保険適応・3割負担で5,814円である。

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