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執筆者の写真林院長

ダニ


屋内に潜むダニはヒョウヒダニとコナダニが全体の8割程度を占める。ヒョウヒダニは絨毯・家具・寝具にほぼ1年中見られる。ヒトを刺すことはないが、これらの死骸や糞にアレルギー症状を来すことがある。コナダニは高温多湿な環境下で小麦・鰹節・砂糖などの食品に増殖する。同じく刺咬するダニではないが、ダニを含む食品を食することでアナフィラキシーショックを来した事例が報告されている。ヒョウヒダニやコナダニを捕食するツメダニが吸血性はないが、誤って人を刺咬することがある。屋内でダニに刺されるということは多くがツメダニの仕業でヒョウヒダニとコナダニが増える梅雨の時期から秋口に多いだろう。まれにネズミが媒介するイエダニに屋内で刺されることもある。イエダニは吸血性で、感染症を媒介することもある。ダニの顎は弱く二の腕や太ももが刺咬されやすく、このような部位で痒みを伴う複数個の刺し傷を認めた場合は疑われる。これらのダニは1mm未満の大きさのため、肉眼で目視するのは難しい。一方、屋外で心配されるダニの代表はマダニだろう。マダニは大型のダニで5~10mmくらいの大きさで肉眼でも目視される。公園や森林に生息し、吸血性であるため、日本紅斑熱やライム病などの感染症を媒介することがある。マダニに刺されたら無理に取らずに医療機関で処置を受けることをお勧めする。

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