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  • 執筆者の写真林院長

手袋

履き古した靴下から親指が顔を出すように手袋に穴があき、人差し指の先が見えるようになった。3年前の冬に購入したニットの手袋である。この手袋は薄すぎず、厚すぎず、程よい防寒があって、手指の動きにもフレキシブルである。あまり期待していなかったが、スマートフォンやタブレット操作も手袋をしたまま行える長所を持っていた。この手袋の大部分はニットの触り心地であるが、人差し指の先は何か特殊な繊維が編み込まれているせいか、少し肌触りが違った。買った当初は確かに手袋をしたまま難無くスマートフォンの操作ができていたが、購入して数ヶ月の月日が経つとタッチパネル操作の感度が落ちていき、次第に操作の度に手袋を外すようになった。ところが、この度、手袋の指先に穴があいたことで、タッチパネル操作の感度は抜群となった。本来なら穴の空いた手袋はみてくれが悪く用無しとされるかもしれないが、以前より使い勝手が良くなったことに感動を覚え、なかなか捨てれずにいる。なぜ最初から穴をあけなかったのかすら思うほどである。手袋の指先に特殊な繊維を編み込む?

否、穴をあければよい。



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