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  • 執筆者の写真林院長

キムチ


両親が釜山に旅行へ行った。旅行土産に乾燥キムチを持って帰ってきた。

両親らは観光そこそこに現地ガイドに連れられて商店街の一角にある土産店に案内されたそうだ。はじめは目ぼしいものが見当たらず、なかなか購買意欲が湧かなかったらしい。すると、ある店員が乾燥キムチは日本においてないからお土産に人気のある代物だと勧められ、言われるままに両親は一袋10,000ウォン(約1,000円)で乾燥キムチを買ったそうな。土産も買ったし、意気揚々と店を出て商店街を後にしようとした時、商店街アーケード入口の店で両親が購入した乾燥キムチが5,000ウォン(約500円)で売られているのを見つけた。『こりゃ、やられた。』と思ったのと同時に、他のツアー客の中でも『あれこっちの店のほうが安くない?』『げっ、損した。』などといった声が漏れ出ていた。

おそらくガイドと案内されたお土産店の間に売上の何パーセントかがガイドへの仲介手数料として支払われる密約のようなものがあったのではないかと私は考える。したがって、その土産店は仲介手数料を加味した他店と比べて高い価格帯になっていたと思われる。

そのような経緯があって購入した土産ともあれば、大切に食べなければならない。そのお店の店員のすすめではカップラーメンに入れて食べるとおいしいらしい。早速、私はカップラーメンに小分けにされた乾燥キムチを入れてみた。お湯を注いで3分待っている間にふと思ったのは、この小分けにされた乾燥キムチはおよそ150円程度にもなり、カップラーメンとほぼ同じ値踏みであるのだな。何も乾燥キムチを買わなくても普通のキムチのほうがもっとリーズナブルな気がしてならない。つくづく乾燥キムチに一杯食わされた感じである。

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