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執筆者の写真林院長

黄色い帽子のおじさん

居間でくつろいでいると、お風呂場からおさな子の甲高い笑い声が聞こえてきた。察するにお風呂場で何かお気に入りのおもちゃで遊んでいるのだろう。すると、何故かその笑い声が居間のほうにだんだん近づいてくるではないか。おや、もう風呂は済んだのか?廊下のほうへ出てみると、おさな子が濡れたままの素っ裸で水いっぱいの荷台に乗せたダンプカーのおもちゃを一生懸命押しているではないか。予想するまでもなく我が子の通った道は水浸しであった。 子育てにおいて喜びを分かち合うことは沢山ある。ただそれだけでなく、なかなか眠ってくれなかったり、食べてくれなかったりなど親の思い通りにいかないことからの苛立ちを感じることもある。こんな時、いつもある人物を思い出す。それは、『おさるのジョージ』に登場する黄色い帽子のおじさんである。 彼の名前は知らないが、ジョージの飼い主である。ジョージが部屋を散らかそうが、失敗しようが、黄色い帽子のおじさんは驚きはするが、決してジョージを怒ったりしない。多少の失敗は笑って許す、ジョージに対する驚くほどの寛大さを持っている。 ジョージはおさるである。ジョージに失礼かもしれないが、おさるにしては有能である。ジョージが有能なのは寛大な黄色い帽子のおじさんのおかげではないかと思う。怒ってばかりいては、子供の自由な発想・才能の芽を積むかもしれないと私は危惧している。黄色い帽子のおじさんの寛大さを見習いたいものである。



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